アンダマン海沿岸の石灰岩の島々は、カヤックで巡ると印象的です。海から塔のような岩が立ち上がり、崖の下には海食洞があり、その先に岩壁で囲まれたラグーンが隠れていることもあります。小さな艇なら、大型船では入れない場所に近づけることがあります。ただし、潮位と現地のルールが許す場合に限ります。
Kayarineは5年以上、西貢で水上アクティビティを運営し、多くの旅行者を海へ案内してきました。この記事では、クラビとパンガー湾の地形、潮汐や季節による違い、国立公園で守るべきマナーを、パドリングの視点から紹介します。

1.3つのパドリングエリアを比較
| エリア | 位置 | 地形 | 難易度 | 見どころ | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| アオ・パンガー国立公園 | プーケットと本土の間 | 石灰岩の塔・海食洞・マングローブ | ⭐⭐ コースと当日の条件による | ガイド付きの洞窟・ラグーン訪問、ジェームズ・ボンド島 | さまざまな海岸地形を見たい人 |
| ホン諸島 | クラビ県のアンダマン海 | 石灰岩に囲まれたラグーン | ⭐⭐ コースと当日の条件による | 岩壁に囲まれた緑色の水面 | 写真や島の景観を楽しみたい人 |
| ライレイ半島 | クラビタウンとアオナンの間 | 船で訪れる崖とビーチ | ⭐ 条件がよければ初心者向けのコースも | クライミングの岩壁を見上げる海岸ルート | 適切なガイドツアーに参加する家族、現地滞在者 |
2.パンガー湾:石灰岩の島々がつくる景観
パンガー湾はプーケットとタイ南部の本土の間にあり、面積は約400平方キロメートルです。この海域の広い範囲は1981年からアオ・パンガー国立公園として保護されています。パンガー県のムアン・パンガー郡とタクアトゥン郡にまたがり、海上に石灰岩の塔状の島が点在します。
崖には洞窟や崩落した洞窟地形、考古学的な遺跡があります。海面が低かった時代には、現在より広い土地が露出していました。今の島々は、長い侵食と海面変動の歴史を伝えています。カオ・ピンカン島は映画『007 黄金銃を持つ男』のロケ地となり、ジェームズ・ボンド島として知られるようになりました。そばに立つ細い岩塔がタプー島です。
カヤックツアーの流れ
- 出発地:プーケットやクラビからボートで島々へ移動し、現地でカヤックに乗り換えるツアーがあります。パンガー県の桟橋から出発し、マングローブの水路を中心に巡るコースもあります。
- 洞窟に入れる条件:低い通路では適切な潮位が必要です。満ち潮で入口がふさがる一方、潮位が低すぎても通れない場合があります。ガイドが判断した場所ごとの時間に従い、独断で洞窟に入ったり集合時刻を変えたりしないでください。
- マングローブ区間:風波を避けやすい水路では、日陰や生き物の観察を楽しめます。巡る順序は潮汐や状況に応じてガイドが決めます。
- 公園入場料:外国人旅行者には国立公園の入場料が必要な場合があります。ツアー料金に含まれるか、別払いならどこで支払うかを確認しましょう。
⚠️ 国立公園のルール:石灰岩、鍾乳石、マングローブ、サンゴを傷つけたり持ち帰ったりしないでください。洞窟やラグーンには入域制限や閉鎖が設けられることがあります。長い年月でできた地形は、壊しても簡単には元に戻りません。
3.ホン島とラグーン:岩の中の「部屋」

ホンはタイ語で「部屋」を意味します。海岸の石灰岩が侵食され、洞窟の天井が崩れるなどして、空に開いたラグーンができることがあります。低い通路から小型カヤックで入る場所もありますが、すべて同じ構造ではありません。クラビのホン・ラグーンでは、許可と条件が整えば動力船による訪問も行われます。
- ラグーンの水面:岩壁が外海のうねりを遮り、静かに感じられることがあります。ただし、流れ、船の往来、天候の変化には注意が必要です。
- 時間管理:出入りできる時間は通路と潮位によって異なります。ガイドの退出指示に従い、撮影のために安全な時間帯を逃さないでください。
- 撮影:光と水の色は時間帯によって変わります。早い出発で人が少ないこともありますが、撮影の希望より安全に通れる潮位を優先しましょう。
4.ライレイ:船で訪れる、崖に囲まれた半島

ライレイ(Railay、Rai Leh)はクラビタウンとアオナンの間にある小さな半島です。高い石灰岩の崖で道路網から隔てられているため、通常は船でアクセスします。崖は世界各地のクライマーに人気があり、宿泊施設は手頃なものから高級リゾートまであります。周辺にはプラナン、ライレイ・ウエスト、ライレイ・イースト、トンサイなどのビーチエリアがあります。
- パドリングの楽しみ方:ライレイ・ウエストやアオナンから、石灰岩の崖を見上げるコースが組まれることがあります。自分の技量に合う、風波を避けやすいルートを選びましょう。長い沿岸横断が初心者や子どもに向くとは限りません。
- 移動の注意:出発便、帰りの船、天候による変更を予定に織り込んでください。波しぶきや浜での乗降に備えて、荷物は濡れにくいようにまとめましょう。
- 組み合わせ例:2泊すれば、ガイド付きの島巡りと、別日のビーチ・近場のパドリングを組み合わせやすくなります。パンガー湾やホン諸島のツアーを選ぶ際は、宿泊先からの送迎が実際に含まれるか確認してください。
5.アンダマン海側の季節
| 季節 | 一般的な傾向 | 計画のポイント |
|---|---|---|
| 11~2月 | 比較的乾燥し、涼しい時期。ただし荒天もある | 人気の時期で、予約需要も高い |
| 3~4月 | 乾季の終盤で、非常に暑くなることが多い | 日よけ、水分補給、休憩を計画 |
| 5~10月 | 南西モンスーンで雨とうねりが増える | 外海のツアーは中止の可能性あり。適切な代替コースを相談 |
6.費用の比較と旅程づくり
以下は比較の目安であり、最新の見積もりではありません。料金と含まれるものは事業者に確認してください。
- パンガー湾1日ツアー:送迎、カヤック、ガイド、昼食、公園入場料が含まれることもありますが、プランによって異なります。少人数なら必ず多くの洞窟に入れるわけではありません。
- ホン諸島の半日・1日ツアー:ラグーンやシュノーケリングが中心のコースがあります。時間の長さだけでなく、実際の水上時間、送迎、入場料、装備を比較しましょう。
- ライレイのカヤックレンタル:時間制が一般的です。個人で借りる場合は、風、潮、船の往来、帰路を判断する力が必要で、すべての初心者に適するわけではありません。
- 4泊5日の例:1日目はクラビ到着後、アオナンで休息。2~3日目にパンガー湾とホン諸島のガイドツアーを入れ、天候に応じて順序を変更。4日目はライレイ観光や適切な近場のパドリングを行い、余裕を持って戻ります。5日目は出発のための余裕とし、遠い島への振替ツアーを詰め込まないようにします。
7.安全と自然保護
- 洞窟では指示を守る:低い通路では頭を下げたり、艇の向きを調整したりします。後続の通行を妨げる場所で撮影のために止まらないでください。ガイドが安全と入域許可を確認した場合にのみ入ります。
- ライフジャケットを正しく着用:ラグーンが静かでも、入口や外海の区間には危険があります。体に合った装備を使い、行程中は留め具を外さないでください。
- SUPは環境に合う安全装備で:落水すると風でボードが離れることがありますが、適切なリーシュは環境によって異なります。絡まりの危険も考慮し、資格・経験のあるガイドに装備を確認してください。
- 長袖の日よけウェア:強い日差しには衣服、日陰、適切な日焼け止めを組み合わせましょう。衣服でクラゲの刺傷や岩による切り傷を完全に防げるわけではありません。選び方は日焼け対策ウェアガイドをご覧ください。
- 日焼け止めの成分を確認:タイの国立公園では、サンゴに有害とされる特定成分を含む日焼け止めが禁止されています。全成分表示と公園の最新案内を確認し、「ミネラル」「リーフフレンドリー」という表示だけで判断しないでください。
- 魚に餌を与えず、サンゴに触れない:餌付けは野生生物の行動を変え、接触はサンゴを傷つけることがあります。生息環境を乱さず観察しましょう。
8.出発前に西貢でパドル操作を練習
自分で漕ぐ洞窟コースでは、直進、後進、狭い場所での方向転換が必要になることがあります。短い説明だけでは技術練習の代わりになりません。ガイドが漕ぐ乗客型のカヌーツアーもあるため、誰が漕ぐのか、どの程度の経験が必要かを予約前に確認しましょう。
天候が適していれば、橋咀島周辺の風波を避けやすい場所で基本練習をし、同じ日にシュノーケリングも楽しめます。現地の海況判断は欠かせません。
👉 橋咀島カヤック&シュノーケリング体験を予約して基本を練習しましょう。十分な経験がある方はカヤック・SUPのレンタルも利用できます。
9.よくある質問 FAQ
クラビやパンガー湾のカヤックは何月が向いていますか?
アンダマン海側では、一般に11~4月が比較的雨の少ない時期です。5~10月は南西モンスーンで雨やうねりが増え、外海のコースが中止されやすくなります。風波を避けやすい代替コースがあっても、当日の状況と事業者の判断が優先されます。
パンガー湾は国立公園ですか?どんなルールがありますか?
湾の広い範囲は1981年設立のアオ・パンガー国立公園に含まれます。入場料と現在の入域ルールを確認してください。岩、洞窟の形成物、マングローブ、サンゴを傷つけず、閉鎖区域、訪問時間、ガイドの潮汐計画に従いましょう。
ホンとは何ですか?必ずカヤックで入るのですか?
ホンは「部屋」を意味し、石灰岩地形の内部にある閉ざされた空間やラグーンを指します。入口が低く狭いため小型カヤックが必要な場所もありますが、すべてではありません。クラビのホン・ラグーンでは、許可された条件下で動力船による訪問も行われます。場所と潮位によってアクセス方法が異なります。
ライレイまで車で行けますか?
崖に囲まれたビーチエリアへ通常の道路アクセスはなく、旅行者は船で訪れます。往復の移動と船便を予定に含め、天候による変更にも余裕を持たせてください。
カヤック未経験でもパンガー湾の洞窟ツアーに参加できますか?
初心者向けのガイド付きカヌーツアーもあり、ガイドが漕ぐ形式もあります。一方、自分で艇を操作するコースもあるため、形式、参加条件、安全体制を事業者に確認してください。指示を守り、自分で漕ぐ洞窟コースなら事前の入門レッスンも検討しましょう。
